髑髏Blu-ray BOX

先日、劇団新感線のステアラ髑髏シリーズの円盤発売が発表されましたね。

花鳥風月(上弦・下弦)極の全髑髏Blu-ray BOX 完全受注販売5万円!!
内容はゲキシネ映像と同じものを収録、特典ディスク1枚。

これ見た時、なんで?って思いませんでした?
私はもう、なんで?のオンパレードでした。

①なんでBOX販売のみ?
いやいや純粋に考えてBOX販売の意味が分かりませんわ。
受注生産という方法を取るなら単品にしても問題ないのでは?
根っからの髑髏ファンならそりゃもう6作品入ってBlu-rayでこのお値段ならお値打ちかと思いますよ。
どうせ全部買うならBOXの方が棚にもすんなり収まると思いますしね。
でもね、今回の様なキャストをガラリと変えた連続髑髏という試みで初めて新感線観に行った方も多かったと想像します。
特に月髑髏は。
声優界隈や2.5次元系の若手役者さんを起用したり、今まで新感線観た事なかった層も取り込んできたわけですよね。
この人が出てるから観てみよう!ってそうなるようにしたわけですよ。
私は新感線のファンですけどさすがに全部は要りません。
極と、あと好きな鳥か風があればいいかな~なんて考えていたわけで、今回のように窓口をガンガン広げた結果フラッと観に来た人たちが果たして全髑髏欲しいと思うでしょうか。
選びたい!単品がいい!これが普通の感覚だと思うのはおかしいのですかね。


②なんでゲキシネ映像のカット版?
BOX販売以上に疑問なのがノーカット版ではなくゲキシネと同じカット版が収録されてる事です。
今までにカットしまくり映像を収録してたDVDがあったでしょうか??
私の少ない知識ですが記憶にありませんね。
そもそもゲキシネ映像がノーカットでなくなったのはここ数年です。
以前は2500円ほどしてたゲキシネ料金を2000円に引き下げ、それに伴い時間を短くする為にやむなくカットしたものを上映するという方法をとりました。
値段設定を下げ映像を上手くカットしスピード感を持たせ、舞台を知らない人にも映像として観やすくする目的だったと推測します(あくまでも推測です)
それ自体は舞台ファンからすれば少し残念ではありますが、全国の映画館で上映するならより観やすくし、お客さんを取り込むという目的ならそれはそれで仕方ないなと納得してました。
「ま、DVDになれば全部見れるし」
という安心感も手伝って。
そういう気持ちが今回無惨にも裏切られたという事です。
実際に生の舞台で観てた者からすれば、目の前で観てたもの全て足したものこそが作品なのです。
カットしたものは単なる不完全体にすぎません。

先月上映されたゲキシネ花髑髏観ましたよ。
花髑髏は実際に生では観てないんですが、それでもカットされてるのは分かりました。
オープニングから既にカットされてて、客席が回転(転換)する場面はオールカット。
劇場に行った方なら分かると思いますがスクリーンに映し出される綺麗な映像で回転するんですよね。
(ステージアラウンドという客席が回転する特殊な劇場)
その場面が全て消え去ってて私は仰天しましたね。
舞台というものには転換がつきもので(転換のない舞台もありますが)、それにより場面が変わったり時には時代が変わったりする、その「つなぎ」の部分を綺麗さっぱり取り去ってしまう事により「舞台感」まで削いでしまってるのです。
しかも普通の転換と違い、映像がある事でストーリーを途切れさせる事なく進めていく事を可能にしたこのステアラの一番の特徴である回転を削り落としてるのはどういう事か?と。
映像だけでなく、それをバックに客席前の通路を役者さんが歩いたり走ったりしてるんですがそれも同じく削られてる。
そこにもちゃんとストーリーが存在してるんですよ。
あまりのぶつ切りに映画館の座席で「なんでやねん!」って言いそうでした。

そしてお金を払ってまで映像が欲しいと思う理由は、自分が観たあの光景をまた観たい!と思うからではないですか?
それぞれ観劇した日が違えば役者さんの芝居や劇場の空気感は変わります。
それは生だからこその変化であり違いであり舞台ならではの現象です。
そうではなく意図的に作品を切り取り客席から観たものとは違う不完全体にしてしまう…いやいや、バカにしてんのか?と。

少し話が逸れますが、今回のゲキシネは今までにないぐらいにカメラワークが最悪です。
ほとんど役者さんのアップだったような印象でした。
殺陣もなんでも関係なくアップ!
ステージの全景はほぼ不明で奥行きもなく「ゲキシネ」ではなく「シネマ」化してましたね。
ここまで舞台感を削いでくるか…ってほど酷い。
役者の顔だけが見たいわけじゃない。
舞台を少しでも感じる疑似体験も売りの一つなのでは?と。
まぁでもあくまでもゲキシネなので、それはそれと割り切る事はできます。
ただ、カットも含め、このままがBlu-rayになるなら話は別で、この映像を一体誰に向けて販売するのか?って話ですよ。
何の知識もなくゲキシネだけ観た人が果たして買いますかね?5万円も出して。
そこはやはり舞台を観た人、舞台が好きな人(観たかったけど行けなかった人もいるかもしれません)に向けてだと思うんです。
そういう人たちに対してカットしまくり版を堂々と販売してくる事に疑問しか感じませんし、作品に対する愛情すら疑ってしまいます。



③なんで特典映像が1枚?
ドラマでも映画でもその作品のDVDを買う時、作品が好きだからプラス特典映像が見たいからって事ありませんか?
特に好きな役者さんが出演してる場合。
ドラマなんて録画した映像も綺麗でCMだって編集できる時代にわざわざ高いお金払って買うのはそこに特典映像があるからという方も多いはず。
売る方だって同じじゃないですかね。
そこへきて今回の髑髏特典映像1枚…1髑髏に1ディスクなら納得しますよ、6髑髏で1ディスクとは1髑髏辺りの特典映像は一体何分あるのか。。。
Blu-rayディスク1枚辺りの収録可能時間はディスクのレベルによっても異なるようですが、3時間可能なもので1髑髏辺り30分、4時間で40分、今までの特典映像が3時間とか収録されてる事を考えれば豪華な特典とは言えませんよね。
特典映像の詳細までは分からないので実際は540分!!とか予想を超えてくる時間数なら③は撤回しますけど(笑)

とにかく値段に見合う特典映像にして欲しいって話です。



④なんでWOWOWが真っ先に放送?
ちょっとこの④だけかなり個人的な疑問なのですが、ゲキシネよりも早くWOWOWで放送した理由は何でしょう?
過去のゲキシネ作品をWOWOWで放送する事はあっても、その逆はあったかな?と。
ゲキシネを今か今かと待ってる人に少しでも早くお届けしたかったのか。
WOWOWとの関係に何か裏があるのか。
今回のステアラ髑髏をノーカットで観れる唯一の手段がWOWOWですよ?フルで観たけりゃ加入しろやって話にも聞こえます(歪みすぎ?w)
公式販売されるBlu-rayがカット版で、ただの放送媒体であるWOWOWがノーカット版ってなんか変な気がします。
いや、ノーカット版がおかしいわけじゃなくそれはもう有り難い話なので、やっぱりカット版を販売する公式さんがおかしいって話に繋がります。
我が家は色々訳あってWOWOWには加入してないのでもう二度とフルバージョンでは楽しむ事が出来ないかもしれません。



来週はゲキシネ鳥髑髏を観る予定です。
同じようにカットされまくってるでしょうが、ゲキシネだと割り切って観てきます。
ただ…
私は天海ファンである為、極髑髏のオープニングで太夫が歩いてる場面や自分が好きな場面がバッサリとカットされてたらきっと客席で発狂すると思います。
そしてそれが収録されるとなると悲しみしかありません。




過去に「ドクロBOX」なるものも販売されておりますが、バラ売りもあり選べる形態、その他のDVDも本編のみと特典映像付きを選べ、しかも特典映像はたっぷりある。
それが今までの基準で普通の事だったのが、あんな豪華な髑髏舞台を上演しておいてこの仕打ち…到底納得できません。
受注生産の申し込み期限が冷静な判断をも狂わせそうです。
販売される!って楽しみにしてる方の気持ちに水を差すようで申し訳ないですが、この気持ちをしばらく拭えそうにありません。



~追記~
結局特典映像の時間数も想像を超えてきませんでしたね。
特別自分にとってお得な特集もありませんし、予約しようかな?って気持ちの後押しに全くなりません。
このブログを書いた後、全く想定外でWOWOWさんの映像を手にしました(ありがとうございます!)
なのでBOXを買うメリットが更に減り、買う選択肢が完全に消え去りました。
まぁ、もうこれを書いてちょっとしたぐらいには買わないと決めてましたけど。
例えWOWOW映像がなくても買う選択肢はなかったです。

買わないという選択が新感線、若しくはヴィレッジ、イーオシバイへの新感線ファンとしての意思表示です。



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